選手評価 Part.2 -MF-

 

 

意外と早く終わったPart.2

これで終わりにしたかったけども案外長くなったので3つに分けることにしました。ということでそのうちFW編としてPart.3が来ます。

 

 


この部門のメイントピックはポグバの去就だろう。移籍先候補のクラブが軒並みお金を持ってないのでまともな移籍金が得られない可能性が高く、退団の可能性は低くなっているように思う。フェルナンデスとポグバの共存を実現させることは難しいだろうが、この2人が揃い踏みするところは単純に見てみたい。だが強豪チームを相手にする時、この2人を一緒にプレーさせることは難しいということは事実であり、ポグバについては無理して安売りする必要はないが売るべきだという結論になるだろう。

 

強豪チーム相手には勝てるが格下チームには勝ち切れないという今季の問題は中盤から生じている。強豪チームが相手の場合、中盤の選手はスペースをしっかり管理し、デュエルに勝ち、1vs1に強い選手が揃う前線の選手にボールを送れば良い。しかし格下チームが相手の場合はそうではなく、中盤の選手は前線の選手たちがゴールを決めるためのスペースを生み出さなければならない。今季はこれが出来ていなかった。

フェルナンデスの加入によってその問題はいくらか解消したが、ユナイテッドは安定してボールポゼッションが出来る中盤を有していないため、依然前線の選手に得点機会を満足に提供出来ているわけではない。この課題は今夏の移籍市場で解決すべきことであり、これを解決しなければシティとリバプールに並ぶ事は出来ない。安全なボールポゼッションを実現するためにはビルドアップに上手く関与出来、プレス耐性のあるDMの選手が1人必要だ。

 

DMの補強については必要ないという意見もあるだろうが、マティッチは高齢であり、フレッジとマクトミネイはDMの選手ではないということを考えれば補強すべきなのは明らかなはず。

 

時間があったらポグバとフェルナンデスの共存について書きたいとは思う。思うだけかもしれないけど。

 

 

DM

 


マティッチ

歳のせいで連戦だと目に見えてパフォーマンスが落ちる。足が遅いためにカバー範囲が狭くもはや一流とは言えない。そんなマティッチがトップチーム唯一のDMであることはモウリーニョ時代からの大きな問題。

しかしながらシーズン後半、DM不在により苦しんでいたチームを救ったのも事実で、それまでチームに欠けていたDMに求められるポジショニングとpositional disciplineをもたらしてくれた。

シーズン前半は怪我とマクトミネイの台頭から行方不明になり、退団が確実視されていたが、マクトミネイの長期離脱をきっかけに出場機会を得て契約延長を勝ち取った。クラブはベテラン選手としての立ち振る舞いを評価しているらしいが、そういう選手だったっけ?

マティッチの年齢を考えればDMの補強が必要なことは間違いないのだがマティッチの場合、同じポジションにライバルが出現するとどこかに逃げる可能性が……。

 


メンサー

忘れられた子。1年の契約延長オプションが使われたのでたぶん来季は残るとは思うけれど長期離脱明けでどこまでフィトネスが戻っているのか分からない。一応DMに分類したけどここで良かったのか?DMとしては身体能力くらいしか売りがないし……。

このままでは適性ポジションが明確にならないままポテンシャルをドブに捨てるというユナイテッドのアカデミーあるあるの最新作になってしまうので来季は何か掴んで欲しい。

 


ガーナー

キャリックの後継者として期待されているがまだ若すぎる。過度な期待は禁物だし、来季マティッチに代わる存在になることもない。来季はもっと出場機会もらえるといいね。

 

 

 

 

CM

 


フレッジ

昨季は冴えないパフォーマンスから"Fraud"というあだ名で呼ばれていたが、今季はエレーラの穴を埋める活躍は見せてくれた。

フレッジの魅力はボールの回収能力とビルドアップ時にボールを前進させる能力に優れていること。

フレッジの守備スタイルは水平方向のものではなく垂直方向のものであり、positional disciplineに欠ける嫌いがある。また前線へのボール配給が遅れるシーンが多々あり、マクトミネイ同様、DMとしては適さない。

真にクラブを本来の位置に戻すと言うならば中盤に最低1枚の補強を敢行しなければならず、マクトミネイかフレッジのどちらかが犠牲者になることが予想される。

 


マクトミネイ

McSauce。昨季終盤の覚醒は一時的なものではないことを今季示してくれた。

フレッジと組んだ中盤は堅い。だがしかし堅い一方で柔らさがない。ポグバが不在時には創造性を欠き、1月にフェルナンデスが加入するまで創造性不足の問題は解決されることはなかった。というのもマクトミネイもフレッジもpenetrative ability(パス供給能力)に欠けるからだ。

フレッジよりも守備面では期待出来るが、残念ながらマクトミネイもDMではない。理由としては2つ。

1つ目は、マクトミネイをDMに置いてしまうとビルドアップに関与出来ないので、マグワイアとリンデロフへの負担が大きくなりすぎてしまうということ。マクトミネイの長期離脱からマティッチが復活し、チームが上手く回るようになったのはこの点が改善されたから。

2つ目はマクトミネイは被プレスに弱く、リスキーな深い位置で常時プレーするのには向いていないということ。

DMを補強しなければクラブは本来の位置に戻ることは出来ないが、有用性という意味でフレッジに劣るマクトミネイは来季最大の犠牲者になる可能性がある。プレースタイルとか献身性は好きなんだけども組み合わせを考えるとどうしてもね。

 

 

レビット

あまり見てないので何とも言えないけども展開力は評価出来る一方でオフザボールや守備面ではまだまだな印象。

どうせレンタルはされないと思うので来季は多少の出場機会が貰えると良いのでは。リンガードとペレイラが数年以内に空けるであろう中盤の枠にガーナーと共に滑り込むのが理想的なトップチームでのキャリアスタートだと思われる。

 

 

 

 

AM

 

 

フェルナンデス

加入前には「ヘセがまともなサッカー選手に見えるレベルのリーグでの数字なんて当てにするのはバカだ。」なんて言われていたが、デビュー戦から懐疑論を吹き飛ばすほどのインパクトを見せてくれた。彼の加入後、マルシャルのxGは再び上昇し、チームは連勝街道まっしぐら。

プロフェッショナルで、リーダーで、良いプレースキッカーで、アシストもゴールも出来る。スペースの使い方や、周囲へのコーチングやプレッシングを先導する姿から戦術眼にも優れているのだろうことが分かる。リンガードやペレイラでは埋めることの出来なかった数多くのチームに欠けていたものを1人で埋めてくれた。

唯一の問題はポグバとポジションが被ること。ポグバの退団の可能性が薄れていっているように見えるので、もしポグバが残留するならば来季はポグバとフェルナンデスの共存をどうマネジメントするのかが大きな課題になってきそう。格下相手には共存が良い方向に行くかもしれないが、強豪相手にこの2人を共存させようとするのは自滅に等しい。ポグバが残留するのならば、スールシャールさん頑張って!としか言いようがない。

 


ポグバ

持ち前のカリスマ性とアイコン性、加えて調子の波が激しいことや自由奔放なプレースタイル、危機察知能力の欠如から批判が集まりがちだが、絶好調の時には誰も止められないクラブ唯一のワールドクラスの選手。

いつになっても終わらない長期離脱からようやく復帰するという時に新型コロナウイルスの流行でリーグ戦がストップ。何とかしてポグバを復帰させまいとする大きな力が働いているのではないかと言われていたりいなかったり。

無駄に批判が集まる環境となかなか上向くことのないクラブに嫌気が差し、退団を希望していると言われるが、超高額な移籍金が必要なために現実的な候補は古巣のユベントスくらい。だが、全てのクラブにおいて新型コロナウイルスの影響による大幅な収入減が予想されるのでポグバを獲得出来るほどに財政的な余裕があるクラブは存在しないに等しいため、残留の可能性は随分と高くなったように思える。

年齢を考えれば超高額な移籍金を必要とする時期は終わりに来ているように思えるので、来季のユナイテッドの補強の内容次第では骨を埋める方が得だという判断をするかもしれない。その場合、フェルナンデスとの共存は多くのものを犠牲にするのでスールシャールのマネジメントが求められる。

 


ペレイラ

リンガードと共に叩かれ続けていたシーズンだった。"Carnival Cleverley"なんてあだ名で呼ばれてるのを見かけた時には笑ってしまったが。

批判されるばかりであまり言われてはないけどもいつの間にかボールを持ち過ぎる嫌いが改善されたように思えるし、豊富な運動量がチームを支えていたこともしばしば。

数字という結果が出ないことを批判されていたが、より前線でプレーしていたスペイン時代からゴールやアシストに上手く絡めず、効率の悪さを批判されていたので想定内と言えば想定内。

ユナイテッドのレベルにはない選手だろうが、ペレイラをスタメンで出さなきゃいけない陣容が悪い。リンガードと同じく控えにいてくれたら助かる選手ではあると思うがどちらか片方だけで良いと思う。

来季残るなら頑張って欲しい。来季は今季よりも出場機会が減ることは必至だがこのポジションをやり始めてまだ日が浅いので、放出ではなく守備面を鍛えるためのレンタル移籍という手もありだと思う。

 

 

リンガード

プレイベートが影響してしまったか、精彩を欠くシーズンだった。プレイベートの事情が事情なのであまり批判する気にはなれないが求められるパフォーマンスではなかったことは事実。個人的にはペレイラかリンガードのどちらかは放出すべきだと思うが事情を考えれば残るのはリンガードの方か。

不調だけでなく、ジェームズの台頭もあり、チーム内の立場が怪しくなってしまっているが競争が良い刺激になってくれば良い。来季は奮起して頑張って。

 


マタ

退団ではなく残留を選んだ今季、マタのタイプに合った場面で起用されることが多く、活躍出来た割合は高かったように思える。もうベテランと言って良い年齢なので的を絞った起用が必要だと思うが、もはや1番手2番手の選手ではなくなってしまった。

選手構成的には来季限りかなと思うが、若いチームにおいてベテランの人格者は貴重だと思うのでもう少し残るかもしれない。仲良しなデヘアの去就次第か。

 


ゴメス

テクニックはリーグ内でもトップクラスだとは思うが、如何せんフィジカルがどうしようもない。テクニックがメッシクラスになればPLでも活躍は出来るのだろうがそうもいかないと思うので外に出してあげるのが本人のためだと思う。もう少し出場機会が貰えるかと思っていたけどそこまで貰えなかったのはやっぱり契約延長で揉めているからなんだろうか。ポテンシャルはあると思うのでフリーで退団されるのは避けたいし、契約延長した上でレンタル移籍か、買い戻しOP付きでの放出をしたいのだけどどうなることやら。

 

 

 

Part.2は以上!次はFW編のPart.3で