スールシャール評、監督交代のタイミングを探る

 
 
 
今季はと言うべきか、今季もと言うべきか、スールシャールはスタートダッシュに躓き、結果・内容共に奮わないことで批判を浴びている。
 
昨季同様、後任者としてポチェッティーノの名前が挙がってはいるが、クラブには今すぐスールシャールを解任する考えはないようだ。
 
 
クビがかかっているのでは?と一部では言われていたエヴァートン戦には1-3で逆転勝ちを収めたことで世界中に持ち前の生命力の強さを見せつけ、ネット世論をひとまず落ち着かせる結果とはなった。しかしながら、スールシャールの監督としての能力への懐疑的な見方は止むことがなく解任を望む声も依然として強いように思われる。
 
 
 
そこで今回は個人的なスールシャールへの評価を整理しつつ、どのタイミングで監督交代すべきなのかということについて書いていきたいと思う。
 
 
Twitterを見てくれている人なら分かるかもしれないが個人的にはスールシャールを今すぐ解任することには反対の立場で、かと言って支持をしてるわけでもないという消極的支持と言うべきスタンスである。今回はそれを前提に読んで欲しい。
 
 
 
ではいってみよう。
※代表ウィークまでに間に合わせるため、少しやっつけクオリティなのは勘弁して欲しい。
  
 
 
 
 
まずはポジティブな評価から書いていきたいと思う。
ポジティブな面としては以下のものが挙げられる。
 
 
 
<ポジティブ>
①成績面
②クラブ文化に精通している
③人格面
④基本方針の策定
⑤若手登用、選手のパフォーマンス向上
⑥選手評価、選手の入れ替え
⑦ビッグゲームでの強さ
 
 
これらを1つずつ見ていきたいと思う。
 
 
 
①成績面
 
これは最も過小評価されている部分だろう。
昨季はリーグ戦3位、ELを含めたカップ戦では全て準決勝敗退と成績だけを見れば良いものだった。確かに周りのクラブの不甲斐なさに恵まれた面も大きく、特にリーグ戦では順位通りの内容を見せたとは言い難い。しかしながら結果は結果だ。
タイトルこそ獲得してはないが、あの陣容と怪我人の多さ、コロナ禍で不安定な情勢の中、「それなり」の成績を出したことはもっと評価されるべきだろう。
ユナイテッドがタイトルが求められるクラブだということはクラブOBであるスールシャールはファン以上に理解しているだろう。だがタイトルを獲得出来るのは各コンペティションで1チームだけであり、これを重要視しすぎることは合理的ではないということはもっと理解されるべきだ。
もちろん昨季の成績が今季の成績のエクスキューズになることはないが、クラブOBであることや選手からの支持を失っていないことを考えると解任までの猶予はまだまだ残されているだろう。ましてや昨季にも解任寸前の状況から盛り返し、リーグ戦3位に滑り込んだ実績があるのだから尚更だ。
 
 
②クラブ文化に精通している
 
スールシャールは多くのタイトル獲得に貢献したクラブのレジェンドOBであるだけでなくユナイテッドでリザーブの監督をしていたことからOBの中でも最もクラブに精通している人物と言っても過言ではない。
実際、ユナイテッドの監督としてどのような振る舞いをすれば良いのか、ファンは何を求めているのか、ファーガソンから学んだ経験が活かされていると感じる場面は多々ある。さらにはそのファーガソンとの関係も良好で、ファーガソンからアドバイスを貰ったり、特別なイベントの時にはその"神通力"を借りたりと外様監督では出来ないであろうことがスールシャールならば可能だ。
またクラブOBということで普段はユナイテッドに辛口コメントを寄せるOBたちも温かく見守っている様子であり、余計な雑音を減らすことに成功している。
今夏の移籍市場では十分なサポートを受けられなかったものの、ウッドワードをはじめとするフロント陣からもスールシャールは支持されおり、良好な関係を築けているように思える。
 
 
③人格面
 
スールシャールの人格の良さはモウリーニョのもと団結を忘れたチームが即座に1つにまとまったことや出場機会の少ない控え選手たちもスールシャールを支持する様子からも見て取れる。
スールシャールが選手評価においてパーソナリティを重視していることも関係しているのだろうが、目立った争いなくチームを統率出来るという点はLvGやモウリーニョと大きく異なることであり評価されるべきポイントだ。最も今季はロメロやヘンダーソン、ポグバなどの扱いを巡って揉め事が起きる可能性が高いように思えるが。
スールシャールは人格面の良さから"PE teacher"と呼ばれたり、それを活かしたマネジメントは"good man management"と呼ばれている。
エゴの大きな選手たちから舐められることもなく、リスペクトを集めているようなので"締めるところは締める"ということも出来ているのだろうと思う。ビッグクラブの監督をする上で選手たちの人心掌握というものはファンが思うよりも重要なものだと思われるのでこれもスールシャールが持つ大きな武器の1つと言える。
 
 
④基本方針の策定
 
基本方針、言い換えてクラブ哲学と言った方が伝わるかもしれないがスールシャールが掲げる基本方針は広く受け入れられており、かつてファーガソンが見せていたような攻守両面においてスピードやパワー、テクニックを活かしたシンプルな攻撃的なフットボールを理想とする基本方針を掲げている。
またユナイテッドの監督というものはSD的な性格を持つことが求められるのだが、それは世界最大レベルのクラブ規模であるはずのマンチェスターユナイテッドにおいてスポーツ面を統括するSDやFoDという役職が存在しないことが理由である。近年のユナイテッドはこれが原因で重商主義に偏った迷走を続けていると言えるのだが適任者探してる詐欺を続けてはや何年だろうか。深入りすると本題から逸れてしまいかねないので今回は置いておくが近年のユナイテッドは監督が変わるたびに基本方針が変わり、その監督ごとの色に振り回され安定したチーム構築が出来ていなかった。
そのような中で暫定監督として現れたスールシャールはユナイテッドがどうあるべきかという基本方針を描くことの出来る監督であり、偶然だろうが素質としては待ち望まれていたものを持った人材だと言える。
 
SDの主な仕事としては
(a)基本方針(クラブ哲学)の策定
(b)補強ターゲットの選定
(c)選手契約(選手売買、契約更新)を巡る交渉
の3点が挙げられるがスールシャールは①②の能力について評価されており、③についてはご存知Matt Judgeが担当している。
通常のクラブであれば自身の契約期間内で目先の結果についてだけを考えればいいのだが、SD的人材が存在しないユナイテッドにおいては監督がSD的な仕事(a)(b)をユナイテッドの文化に合う形でこなし、長期的な成功についても考えなければならない。しかも同時に過去の栄光を知る世界中のファンを満足させるような目先の結果を出し続けなくてはならない。マンチェスターユナイテッドの監督はそういった極めて難しい仕事を求められている。
クラブに精通しており、なおかつ目先の結果だけでなくクラブの長期的な成功についても考えてくれる監督が果たして世界に何人いるだろうか。
無能なOB監督と揶揄されがちなスールシャールだがユナイテッドにおいては切るに切れない特長を持った人材なのである。
 
 
⑤若手登用、選手のパフォーマンス向上
 
スールシャールはユナイテッドで実際にリザーブ監督をしていたこともあり、若手登用の伝統やそのタイミングについて理解しているように思える。
若手には時間が必要なことを理解しているし、なるべくプレッシャーを減らそうとメディアから遠ざけたり庇う姿勢を見せている。
多少のアカデミー優遇が目立つところがあるがそれくらいでなければトップチームに定着する選手なんて出てこないと言えば一理あると思う。アカデミーに関してついでに触れるとすると、スールシャールが監督になってからは他国リーグからの青田買いやアカデミー選手のレンタル移籍について変化が見られており、ファーガソンに倣うだけでなく時代に合わせた変革というものも行えている。
スールシャールの下、チームとして団結すること、リスクを冒すことを思い出した選手たちに、さらにプレーしやすい環境を用意することで選手たちは高いモチベーションで試合に臨めるようになった。大きく成長を見せ、今ではチームに欠かせないピースになった選手も多くいる。モウリーニョの下では思うような活躍を見せられず放出も考えられたようなフレッジやマルシャル、ショーなどはその代表だろう。
 
 
⑥選手評価、選手の入れ替え
 
スールシャールが託された仕事の1つに選手の入れ替えというものがある。ユナイテッドでは長い間補強が上手く進まなかったことからレギュラーレベルでない選手や余剰戦力の選手たちがチームに残り続けており、選手の入れ替えが上手く行われていなかった。これには簡単に高給を与え過ぎたり、契約延長のタイミングが悪かったりという原因が挙げられるがこの体質は依然として存在しており、解決のためにはSD的人材の到着が待たれる。
SDではないスールシャールは補強について全ての権限を与えられているわけではないが、スールシャールが獲得してきた選手や今夏獲得要望リストに載っていたとして名前を挙げられていた選手から判断するにファーガソン以後の監督の中では補強について1番優れていると言っても過言ではないだろう。
また先程SDの主な仕事について3つ挙げたが、スールシャールは(b)補強ターゲットの選定についても優れた能力を持っておりクラブに大きく貢献していると言える。
スールシャールは補強ターゲットを選定する際にはユナイテッドの文化にフィットするか、チームのために尽くせる選手であるか、というパーソナリティを重視していると言われている。実際、スールシャールが獲得した選手たちはその傾向が強く、良いグループを形成することにも役立っている。またそのような評価基準故か、補強においてハズレを引く率も低いものとなっており、ほとんどの選手が一定以上の活躍を見せている。
補強が上手くいかず、余りある補強資金を効率的に使えていなかったことが低迷の一因となっていたユナイテッドにおいて、スールシャールはこの点でも変革をもたらした存在である。
 
 
⑦ビッグゲームでの強さ
 
BIG6やCL、自身の進退がかかった試合では驚異的な勝負強さを持っており、純粋な監督としての能力は平凡であるのにユナイテッドの監督の椅子に未だ座り続けていられる理由の1つとなっている。アスリート能力に優れたユナイテッドの選手層を上手く活かしつつ相手の裏をかくことを得意とし、それを高確率で成功させている。
ビッグゲームでの強さは①で挙げた成績面とともに過小評価されている部分であったが、今季はともに奮わず解任を望まれる理由の1つとなってしまっている。しかしながら今季に向けての準備時間があまりにもなさすぎたことやコンディションが整ってきたことを考えればこれから上向く可能性は十分にあり、現段階では様子見をするべきなのではないだろうか。
 
 
 
 
ここまではスールシャールの監督としてのポジティブな面を取り上げていたがここからはネガティブな面について書いていきたいと思う。
ネガティブな面としては以下のことが挙げられると思う。
 
 
<ネガティブ>
①戦術面での乏しさ
②調子の波が激し過ぎる
③タイトルが獲得出来る監督ではない
 
 
これらを1つずつ反論を交えつつ触れていきたいと思う。
 
 
①戦術面での乏しさ
 
スールシャールの監督としての能力のうち最も不足しているものだと言われるのが戦術面での乏しさだ。しかしこれは少し簡潔化され過ぎており、誤解を生じさせている。
本当に戦術面で乏しければビッグゲームでは勝てないだろうがそうなってはない、むしろビッグゲームでは驚異的な勝負強さを持ってる以上、ただ単純に戦術に無能な監督だと言うのは間違っている。
スールシャールが苦手としているのはビルドアップの整備や再現性を高めることなどであり、これは一流の戦術家と言われるような監督ですら苦悩するような課題である。ピッチ上の監督であるフェルナンデスの加入によりある程度の解決は見られたがチームとしての課題が解決されたとは未だ言えない状況だ。
スールシャールがユナイテッドにやって来てから約2年の間で、これらの課題が根本的な解決がなされる様子が見られないのは確かに問題ではあるが、現在のフットボールでは監督一人に戦術面が託されるわけではなく、あらゆる面でコーチやアナリスト含めたチームとしてマネジメントを行うことが主流となっている。そのためスールシャール一人に責任を押し付けるようなことは間違っており、さらに言えば監督交代以外にも戦術面に優れたスタッフを入閣させるという手段が残されていると言える。
過去、ファーガソンがそうであったように自分に足りないものがあるならば外部からその要素を持ってきてしまった方が監督交代よりも遥かに合理的だ。
これにはもちろんスールシャールが自分の能力の限界について自覚があるかどうかにもよるのだが彼のパーソナリティを考えればそのようなナルシストには思えないので大丈夫だろう。
他のクラブと比べるとユナイテッドは戦術面において数年分の遅れが存在しているが、これはもはや監督一人の能力で埋められる差ではない。また差を埋めるためには選手の入れ替えという前準備が必要となる。しかしこれは前述の通り、スールシャールの得意分野であり、現在進行形で動いている、彼に任すべき計画だ。それを全て0から、選手補強に才があるか分からない新監督の下で行うのは果たして合理的と言えるのだろうか?答えは基本的には否だろう。誰もそんなハイリスクを冒したくないのだから。
 
 
②調子の波が激し過ぎる
 
スールシャールは快進撃と苦悩の時期、両方を繰り返している。スタートダッシュに躓き、コンディション上がって快進撃のターム突入かと思ったらまだ苦悩の時期でした、というのが今季の流れ。調子の波が激し過ぎるので評価に困るだけでなく不調の時には解任論が盛んに議論されるということになっている。
昨季は3位という結果を手に入れたが内容もそれに相応しいものだったかというとそうではなかった。しかしながら快進撃のタームで勝ち点を稼ぐことが出来たために3位に入ることが出来、CL出場権も手に入れた。
調子の波が激し過ぎると何が問題かというと予測がしにくいということにある。もしかしたらここ2シーズンで見せたようにここから快進撃が続くかもしれない、だがついに単純な監督としての能力のなさが露呈して低空飛行が続くかもしれない、そういったどちらかと言えば不安要素が強い中にファンは置かれており、結果としてチームが不調になるたびに解任論が飛び交う事態を引き起こしている。
では何故調子の波が一定ではないのだろうか。それはユナイテッドの選手層とスールシャールのマネジメントにある。
ユナイテッドの選手層はアスリート能力が高い選手が多く、コンディションによってその日出せる能力が大きく変わってしまう。さらに①で触れたように再現性やビルドアップに関して整備が進んでいないために安定して勝ち点を得るための土壌が整っていない。そのため多くの選手が高い能力を出せる、コンディションの良い状態に揃ったタイミングで快進撃は起こる。そして昨季までのユナイテッドは選手層が薄く、その上控えメンバーとスタメンの実力差が大きかったためにスタメンの固定化が起こっていた。これにより勤続疲労が起こり、チームとしてのパフォーマンスが一定レベルを下回った時、快進撃は終わりを迎える。そして再び多くの選手のコンディションが良い状態に揃うまでは低調な試合が続き、コンディションが良い状態に揃えばまた快進撃が始まる、という繰り返しが起こっている。

 (スタメンの固定化については以前書いたので興味があれば↓↓↓)

redwing777.hatenablog.com

 昨季はフェルナンデスの加入によりその快進撃のタームが長くなったために驚異的な追い上げを実現させ、3位という結果までも手にしたわけだが今季はどうなるのかというとそれは分からない。冬の移籍市場での動きによっては昨季の再現が可能かもしれない。

またこの課題についてもスールシャールは解決への取り組みを見せており、今季は昨季ほどのスタメン固定を行わず、ローテーションを試みている。
今夏思うように補強が進まなかったとはいえ、昨季勤続疲労や負傷離脱によってパフォーマンスの下落が大きかった3ポジションを補強し、より柔軟なマネジメントが可能になったため、ローテーションが上手くハマれば調子の波というものは高い水準で落ち着く可能性もある。
しかしながらローテーションにはマネジメント能力だけでなく戦術的な能力も多く求められるため戦術的な面で乏しいスールシャール陣営がどこまでローテーションを効果的に、勝ち点を落とさず行えるかは未知数だ。
 
 
③タイトルが獲得出来る監督ではない
 
スールシャールの解任を求める理由の1つとしてよく挙げられるのがスールシャールは監督として平凡であり、クロップやグアルディオラと比べたら大きな差がある、タイトルを獲得出来る監督だとは考えられないということだ。
確かにスールシャールが監督である限りリーグ優勝は無理だと思う。しかしながらカップ戦であればタイトルは獲得可能だと反論したい。もちろんライバルクラブの不調や潰し合いなどある程度の幸運は必要だろうがスールシャールはトーナメント向きの監督でありビッグゲームに強いことを考えればカップ戦でのタイトル獲得は可能性がない話ではない。
またタイトルというものはコンペティションごとに1つのチームしか獲得出来ないものであり博打なようなものである。それを絶対的な評価の1つとして考えるのは少し非合理的だと思われる。
そもそもスールシャールがまず行うべき仕事は選手の入れ替えである。まず陣容の整備を行わなければタイトルチャレンジャーにはなれない、ということは近年の反省として存在しており、優先して解決すべき課題の1つだ。
選手の入れ替えと同時にタイトルの獲得まで求めてしまっては本来優先されるべき円滑な選手の入れ替えを妨げかねない。
ユナイテッドは常にタイトルを狙うべきクラブではあるが目先の結果を追い求めて長期的な成功を失ってしまえば元も子もない。
長期的な成功を目的に招聘したLvGが失敗したからといって目先のタイトル獲得に囚われモウリーニョを招聘してしまった失敗の経験を活かすべきだ。もちろんタイトルのチャンスがあれば狙っていくべきだが物事には優先順序というものがあり、それを一時的に崩す場合には議論が必要となる。
 
 
 
スールシャールへのポジティブ、ネガティブ両面の評価が終わったところで監督交代のタイミングを考えていきたいと思う。
 
 
即時解任すべきでない理由としてこれまで
 
 
①SDが不在というユナイテッドの特殊性
②名前が挙がる後任候補への不安
③課題に対して改善が可能であるor取り組んでいる
④選手、クラブ内外からの支持が厚い
 
ということを挙げてきた。
 
 
これらに加えて、
 
 
⑤コロナ禍の影響を大きく受ける今季の特殊性
⑥ポグバの去就問題をスールシャールの後任者に任せるべきではない
 
の2点も即時解任を避けるべき理由として考えられる。通常の監督よりも特殊な役目を背負っているスールシャールを監督の椅子から下ろすのであればそれは計画的なものが望ましく、成績不振を理由とするような突発的な解任は出来るだけ避けるべきだ。
もちろん選手からの支持を失い、もはやスールシャールが監督であることがマイナスの結果をもたらすようになっているのであれば話は別だが、選手からのリスペクトを保っている段階での監督交代は長期的な視点から見ればマイナスになりかねない。
 
選手の入れ替えを終えるのは、コロナ禍による混乱やEUROの影響を鑑みれば、まだ時間がかかる考えられ、個人的には早くても来季終わり、現実的には再来季終わりになるだろうと思う。
スールシャールポチェッティーノの選手の好みには少し共通したものがありそうなので選手の入れ替えについては上手く継続路線を敷けるかもしれないが、その他に不安要素がいくつかあるポチェッティーノは長期的な計画を捨ててまで飛びつくべき監督だとは思えず、消極的支持ではあるがスールシャール体制を続けていくべきだと考える。
 
クラブは順位表と直近数試合の結果と内容しか判断基準に持たないファンからの解任を求める声に応じる必要はないし、他クラブのファンやメディアからの声に惑わされる必要もない。
本来ならばSD的ポジションがそういった判断を監督とフロント陣の間に立って行うべきなのだが、ユナイテッドはそういった役職は存在しておらず、ファンやメディアの声、株価の動きなどの不確定要素によって監督解任の判断がなされる不安はある。
 
SD的ポジションが埋められなければ、当然スールシャールの後任監督にもSD的な能力が求められ、候補者はより狭まったものになる。
スールシャールの任期中に、ユナイテッドにとって適当なSD的人材を見つけ出し、後任となる"普通"の監督が仕事出来る環境を整える。これがフロント陣が実行すべきことであり、チームの入れ替え同様SD的人材の招聘が実現される前にスールシャールを監督の座から下ろしてはこれまでのファンの我慢も無駄に帰すと言える。
 
ここまで長々とスールシャールを擁護する文章を並べてきたが、正直スールシャール政権が来季終わりまで持つかと言われればかなり怪しいと思われる。選手個人個人に多少の成長は見られるが、チーム全体としての戦術面への整備はあまり進んでおらず、スールシャールが苦手とする分野を補うことの出来る人員が補充されている様子もないからだ。
そうなればSD的人材の招聘まで、ユナイテッドに残された時間はあまり長くないと言える。フロント陣がどれだけの熱量でSD的人材を探しているのか分からないが、本当にスールシャールの後任としてポチェッティーノを考えているのならば、SD的人材の招聘は急務かつ必須事項であり、今季中の任命が望ましいと考えられる。
 
 
 
最後はフロント陣の話へと話が逸れてしまったが監督交代のベストタイミングとしては
 
 
・選手の入れ替え終了後(来季or再来季終わり?)
・SD的人材の招聘
 
この2つが揃ったタイミングと言える。
どちらか片方でも実現されれば監督交代を考えてもよいとは思うが、理想はこの2つ、両方が達成された時になるだろう。
 
 
 
長々とした割に結論は陳腐という、いつも通りのやつになってしまったが代表ウィークも終わってしまうので今回はこの辺で
 
 
 
以上