ポグバ、フェルナンデス共存問題

 

 

 

 

「ポグバの退団前提にしてたけど現実的には残留じゃね?」となっている最近、

 


「ポグバとフェルナンデスの共存wktk

「いやその2人の共存は無理っしょw」

という2通りの声がユナイテッドファンから出ているので少し触れてみたいと思う。

 

この話題はポグバの去就次第では来季のメインテーマになる可能性が高く、2人の共存が出来るか出来ないかで来季の順位が変わってくる。

 

 

「そもそも『共存』ってなんじゃい」という話なのですが、個人的には「共存」というワードは

 


①同時に出しても攻守バランスが保てる

②プレーを邪魔し合わない

 


の2つが条件かなぁと思っていて、

ただ2人が同時にピッチにいるだけで良いならそれは「共存」ではなく「共演」という表現が相応しい。

 


結論から言ってしまえばこの2人の共存は難しいと思う。

 


守備面ではポグバは危機察知能力がなさすぎる、フェルナンデスは優れた戦術眼を持っているとはいえまだ深い位置でのプレーは未知数であり、またPLでは強度不足。

どちらも攻撃への貢献が売りであり、攻撃性能を犠牲にして守備的な役割を与えてもトータルではマイナスにしかならず、CMやDMには置きにくいAMの選手。

 


そんな選手を2人並べたら攻守のバランスが崩壊するのは誰でも想像が出来る、という話だ。

 

 

 

 


フロントやスールシャールも、ポグバの退団をある程度前提にしていたからこそフェルナンデスの獲得に踏み切ったのだろう。

ポグバが残留することになればその前提が崩壊することになり、チーム編成は大きな見直しを要求される。

 


ポグバの残留はもちろん決定してないが、幸か不幸か、新型コロナウイルスを理由にリーグが中断されたおかげでシーズンが再開されれば最低でもリーグ戦の9試合は2人が「共演」する機会を僕らは手にする。

 


ポグバとフェルナンデスの「共演」を見てみたいとファンなら誰でも思うだろうが、それが「共存」になるかと言われると僕は難しいと思う。

 


2人の「共存」はどうして難しいか、どうやれば何とか同時起用が出来るか、今回はそれらについて書きたいと思う。

 


ここからは

①今季、未消化試合で同時起用される場合

②来季も同時起用が続く場合

に分けて話をしたいと思う。

 

 

 

 


S1.今季の未消化試合

 

 

 

ポグバとフェルナンデスを同時起用することのメリットは、

 


今季苦しんだ創造性不足、パス供給源不足が大幅に改善されるだろうこと。

 


逆にデメリットは攻守のバランスが崩れてしまうこと。

 


しかし、残された対戦相手を考えると大方の試合で主導権を握ることが予想されるので攻守のバランスを欠くことがとてつもなく大きな問題になるということはなさそう。

 


もちろんポグバとフェルナンデスを同時起用するためには周囲のサポートを整える必要はあるし、多少の対策はすべきだが、もはやこのような事態の中で成績を求めても仕方がない。それに来季ヨーロッパのコンペティションがどうなるか分からない中ではCL出場権獲得云々よりも今季を完全な形で終わらせることが最重要課題だろうし、純粋にサッカー観戦を楽しむべきなのだろう。そういう意味では2人の同時起用はデメリットよりもメリットの方が遥かに大きい。

 


2人のサポートについては、特に中盤にセカンドボールを回収出来る選手とフィルター役の選手が必要になる。前者はフレッジとマクトミネイ、後者はマティッチがいるので今季だけならひとまず凌ぐことは出来るのではないかと思う。

 


ラッシュフォードとマルシャルの2トップに、中盤ダイヤモンドの442が現時点で最も攻守のバランスがとれ、ローテーションやジョーカーとしてジェームズやグリーンウッドの途中投入も行いやすいフォーメーションとなる。

どちらかをベンチに置く選択も、残り試合数を考えればある程度選手マネジメントは無視出来るので、スパーズ戦やレスター戦など攻守バランスの計算が必要になる試合では、ポグバかフェルナンデスのどちらかを外して433または4231をすれば良い。

 


"ポグバとの「共存」"というセンテンスで皆の頭をチラッと掠める某ピアニストさんという存在があるが、プレーエリアが被っていた上にどちらも足下にボールを欲しがるタイプの選手だったポグバと某7番さんとは違い

、ピッチ上の指揮官として振る舞えるフェルナンデスは自らパスコースを創ることが出来る。多少楽観的な面は否定しないがあの伝説のトレード移籍ほどの失敗は起こらないということは確かだと思う。

 


というわけで、今季の未消化試合分に関しては、成績よりもシーズンの完走が第一に置かれるため、2人の共演はファンにとって懸念材料ではなくポジティブな要素になると思われる。

 

 

 

 

 

 

S2.来季以降

 


結果をあまり重視しない今季の未消化試合とは違い、来季以降は結果が重視される普段のフットボールに戻る。結果を気にしなくてはならない、ということは攻守のバランスを考慮しなくてはならないということ。

前々から書いている通り、ポグバとフェルナンデスの共演は攻守のバランスを欠くというデメリットがあるが、これは試合結果に大きな影響をもたらすだろう。

 

サンチョが獲得出来た場合、来季のユナイテッドは433か4231を採用すると思われるが、この2人を同時起用しつつ、攻守のバランスを保つためには一人で広いエリアをカバー出来る運動量と守備強度、戦術眼を持ち、なおかつビルドアップにも貢献出来るスーパーマンのような選手が必要になる。

そんなことがトップレベルで出来る選手は世界を見渡してもほぼいないし、当然獲得は難しい。しかもそれが今夏に出来るかと聞かれれば答えは"No"だろう。

アッレグリのように、自由奔放なポグバを戦術で縛ることが出来れば良いが戦術家ではないスールシャールにそれは無理だと思われる。

強豪クラブ相手には2人のどちらかをベンチに置くという選択は選手のマネジメントが難しく、長期的には採用しにくいものであり、余計な火種を増やす可能性もある。

もしリーグ戦でバランスを保つことが出来るようになったとしても、ダービーやCLのノックアウトステージなどでもそれは可能だろうか?ポグバのような癖の強い選手がいなくてもほとんどのクラブがバランスを保つことに苦悩している現実を考えれば、それは無理な話だろう。

 


ビジネス面での貢献やパスの供給源の問題、初見殺しに弱い傾向のあるPLクラブに来季フェルナンデスがどう対応されるかという懸念事項はあるので、ポグバを抱えておくことは一定のメリットが存在することは確かだが、2人の共演は諸刃の刃となる。

 

 

 

また1年の契約延長OPを含めても22年6月までの契約であるポグバが来季残留するならば、契約満了での退団という可能性を視野に入れた中での契約延長交渉が必要になってくる。今まで超高額な移籍金がネックになり思うように移籍が出来なかったポグバが、夢のマドリー移籍のための最後のチャンスだと契約満了でのフリー退団を選択する可能性は大いにある。

ユナイテッドとしては2度目の"フリー退団"は何としても避けたいだろうが、ライオラというピザデブ凄腕代理人との交渉は難航必至であることは簡単に予想が出来る。

ポグバ側に契約延長の意志があったとしても、某ピアニストの存在によって給与体系がぶっ壊されている中でどれだけの高給を要求されるか、クラブとしては戦々恐々としているだろう。

 


以上のことから来季以降のことを考えれば、「きちんとした移籍金があるのであればポグバの退団を認める方がスムーズ、かつスマートにクラブは前に進むことが出来る」ということが結論になる。

 


もちろん、スールシャールが何とかして攻守のバランスを保つ術を見つけ、プレー面だけでなくポグバのカリスマ性とフェルナンデスのリーダーシップが上手く絡み合い、大きな相乗効果をもたらしてくれるのがファンとしてはベストなのだが……。

 

 

では今回はこの辺で