出場時間と年齢から考える

 

 

自分の中で毎年恒例のデータ遊びが終わったのでその中で見えたことについてまとめていきたいと思います。

 

 

昨季もやってるので比較材料として見てもらえれば↓↓↓

 

redwing777.hatenablog.com

 

 

 

昨季は出場時間と年齢の2つをリーグ戦と全コンペティションに分けて書いたのですが自分の中ではいまいちだったので今回はリーグ戦における出場時間と年齢、契約期間、給与の4つのデータでまとめました。

 

 

また今回はデータから考えられたことをメインに、補強についてはあまり触れずに改めて書きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

まずは選手ごとの出場時間(図1)

 

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出場時間という点ではチームの中核選手であり、替えが効かないタスクを任されているマグワイアとフェルナンデス、ラッシュフォード、そして控えがおらず出ずっぱりになっていたAWBの4人が突出して出場時間が多いことが目立ちます。

 

シーズンを通したマネジメントを考える上で勤続疲労によるパフォーマンスの低下や怪我を防ぐということはやはり重要であり、実際マグワイア以外の3人には勤続疲労によるパフォーマンスの低下が、マグワイアについてはシーズン終盤での怪我による離脱が見られました。

 

またラッシュフォードに至ってはシーズン終了後のEURO出場のためにも手術を避け、怪我を抱えながら出場を続け、この出場時間数を記録しているので相当な負担がかかっていたと言えます。

 

スールシャールは「個の最大化」というアプローチを採用し続けているために、個で違いを生み出せるような選手はフル稼働に近くなってしまうのですが連戦での起用はどうしてもパフォーマンスを落とすことになるので、その辺りのマネジメントは来季以降も継続して課題になるでしょう。

 

 

中心選手への依存度を下げるために、
控え選手の質を上げる、もしくは特定の選手が担っている役割をチーム全体でカバーする、異なるオプションを採用する等、何らかのテコ入れは必要だろうと考えられます。

 

 

とはいえ今季は新型コロナウイルスやEURO開催の影響から例年以上に過密日程であり、その中で長期離脱する選手を出さなかったこと、そして超過密日程の中でも重用される中心選手であるマグワイア、フェルナンデス、AWBがスールシャールによる獲得選手であることは注目はされてないものの、もっと評価されるべき事柄だと個人的には考えます。

 

ローテーションも昨季と比較すると取り組みが見られ、今夏の補強によって改善はより進むものと思われます。

 

またEL決勝では交代枠を90分間使わず結果的にPK戦までもつれ込んで敗れたことで、「ベンチを有効活用していない」というスールシャールへの批判が多く見られましたが、ユナイテッドのベンチはチームのやり方を変えずに「スタメンを穴埋めする」ための控え選手が多く、それこそ選手時代スーパーサブだったスールシャールのような効果的なゲームチェンジャーになれる選手がいないことが90分間交代0という選択になったのかなと思います。

 

リーグ戦における途中投入の回数は、15回でvdBが最多。次いでカバーニの13回、グリーンウッドの10回、マティッチとマクトミネイの8回、トゥアンゼベとポグバ、マルシャルの5回、ラッシュフォードとジェームズの4回、マタとフレッジの3回……と続いていきます。

 

この途中投入の実績がある選手たちの名前を見ると多くがスタメンクラス、もしくはゲームを落ち着かせたり守備を強化してゲームを締めたりするための「勝ち逃げ」時の起用であり、ジェームズが最終成果物に絡めない選手であることも考慮に入れると現実的に攻撃的なベンチのオプションと言えるのはvdB、ただ一人です。

 

もしEL決勝で交代枠が切れなかったことを批判したい場合には途中投入数最多のvdBの有効な活用法を1シーズンかけても確立できなかった、もしくは攻撃的な途中投入のオプションをvdB以外に持ち合わせていない選手層の薄さを責めるべきでしょう。

 

 

そもそも控え選手は、
①チームのやり方を大きく変更せずにスタメンと入れ替えが出来る選手    例)ジェームズ
②時にはゲームチェンジャーとして異なるオプションを提供出来る選手  例)フェライニチチャリート、ベテラン選手


の2タイプがおり、この2タイプをミックスして監督はベンチメンバーを構成します。

 

 

ゲームを落ち着かせる事が出来るベテラン選手もゲームチェンジャーの1つのタイプではあるものの派手にゲームを動かすタイプは少なく、経験を活かして「勝ち逃げ」をさせるための起用が多く、攻撃的なオプションとはなりにくいです。

 

今季最も途中投入数が多かったvdBに有効な活用法が依然確立されていないこと、今季攻撃陣のジョーカーとして使われていたカバーニやグリーンウッドは来季はよりスタメン回数が増えるだろうことを考えると、

それこそ今季シーズン序盤に調子を崩したポグバが途中交代でゲームチェンジャーとしての役割を果たしていたような攻撃においてジョーカーとなれる選手が欲しいなと思います。

 

ゲームチェンジャーについては、

①vdBを諦めず、有効な活用法を確立するために他のポジションを補強する

②長身CFやスーパーサブのような選手を補強する

③単純にアタッカーが不足しているのでラッシュフォードやフェルナンデスを休ませられるようなスタメンクラスの選手を補強し、スタメンクラスの選手をベンチに1枚余らせジョーカーとして活用、途中投入する

 

という3つの選択肢が考えられますが、チームの入れ替えを進めていることやサンチョ獲得に現実味があることなどの現状を考えれば、①と③を同時に進めることが最も合理的なのではないでしょうか。

 

 

 

 

次に出場時間と年齢の散布図(図2)

 

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年齢のバランスについては選手としての全盛期を迎えている20代後半の選手を中心としつつ、伸びしろが多く残された20代前半までの若手選手、そして経験豊富なベテランがミックスされており比較的好ましいものだと思います。

 

各ポジションにベテランやリーダーシップが評価されている選手が多くおり、パーソナリティを重視した補強プランやアカデミーでの教育が成功していると言えるのではないでしょうか。

 

ベテラン枠として在籍している選手は人格的に優れていると評判の選手が揃っており、スールシャールのチームマネジメントが上手く行っている要因の1つにもなっているはずで出場時間には表れないピッチ外での貢献が大きいと考えられます。

 

またスールシャールが監督に就任してからより一層若手選手の獲得が補強の基本方針とされているので、かつて有望株として獲得した選手が期待値を上回らないまま年を取り余剰戦力化しないよう、第2第3のジョーンズを生み出さないよう見極めを行う必要があります。

 

最近ではスールシャールの若手選手を多く獲得するという補強の基本方針とアカデミーの改革の影響から、ローン移籍での武者修行が増えてきており、トップチームでの試合や練習以外での評価機会が大きく増えることとなりました。


評価機会が増加した分、ローン移籍先での活躍をどう評価するか、トップチームでの起用とローン移籍どちらを選択するべきか、トップチームの戦力になるとどう判断するか等の基準が必要となり、ローン移籍先での活躍に評価をつけるポジションは今後重要な役割になってくるでしょう。

 

 

 

次に給与と年齢について(図3)

 

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給与で目立つのはやはりデヘア、ポグバ、マルシャルの高給ベスト3です。

 

ユナイテッドはPLでも最も給与の高いクラブの1つではあるのですがこの3人はただ単純に高給過ぎるだけでなく、稼働率やパフォーマンスの部分で不足がありつつもチーム内で最も高給な3人になっており、チーム内の不和や給与体系の崩壊をもたらす可能性があります。

 

 

コロナ禍による財政ダメージからもコストカットは必要不可欠なものであり、また新たに高給取りの選手、つまりはスター選手を獲得しようとするならば彼らの高給が障害になりかねません。

 

本当にサンチョやホーランといった高給選手を獲得するのならばこの3人の中から最低1人は売却する必要があるでしょう。

 

特に近年低調なパフォーマンスが続いており環境を変える必要性があると考えられるデヘアについては、高給取りであるために引き取り手を探すことはかなり困難だと予想されており、サンチェスの時のように給与の一部負担をした上でのレンタル移籍、または契約解除も考えるべきです。

 

またネガティブな面だけでなくポジティブな面についても触れるとするならば、近年アカデミー卒業生の多くがトップチームの戦力化していることが人件費削減に大きく貢献している点でしょうか。ラッシュフォード以外のアカデミー上がりの選手は選手の質を考えるとコストパフォーマンスがとても良いと言えるはずです。

 

 

 

最後に在籍期間と契約満了のタイミング(図4)

 

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昨夏に加わったカバーニは早くもリーダーとして、ロールモデルとしての役目を果たしていると言われており、マティッチはチーム内の規律担当として選手の管理や選手とコーチ陣の懸け橋という仕事を任されています。

 

デヘアやマタ、マティッチなどのベテラン、そしてチーム内で大きな影響力を持つポグバには今夏での退団の可能性があり、カバーニも来夏には退団します。
来季は彼らが欠ける影響をどのようにカバーするのかがチームマネジメント上で大きな課題となると考えられます。

 

また完全に余剰戦力と化したジョーンズやペレイラ、ダロトですがこの辺りは要求額を減らしてでも売却を進めるべきでしょう。


そもそも何故契約延長をしたのか?という話ではあるのですが、スールシャールは着任後すぐに選手個人個人と話して、ユナイテッドで続けていく意志を示した選手には一旦契約延長を提示して、競争機会を与えたのかなぁと個人的には予想しています。

 

契約についての話となるとポグバの去就がどうなるかという点が1番の関心事だとは思うのですが、こればかりは選手サイドとクラブの話し合い次第でしかないので様子見ということにしておきます。

 

 

今回は次回に書くであろう今季の雑感や今夏の補強についての記事の前座に過ぎないので今回はこの辺で。

 

ではでは